- FDG-PET/CT検査
 
画像で見るFDG-PET検査の診断
2025.11.4
FDG-PET検査は、放射性薬剤であるFDG(フルオロデオキシグルコース)を体内に注射し、その分布を画像化することで臓器や組織の代謝活動を評価します。
FDGはブドウ糖に似た化学構造をもち、特に代謝活動の高い組織に取り込まれやすい性質をもっています。
例えば、がん細胞は正常な細胞よりも活発にブドウ糖を消費するため、FDGが高濃度に集まる傾向があります。
 *食事をすると、ブドウ糖の消費が弱まるため、がん細胞への集まりが低くなります。
 *筋肉への炎症にも集ることが知られています。
なお、FDG-PET検査のみでは確定診断を下すことはできません。
診断には、他の画像検査や検体検査、必要に応じて組織検査(生検)などを組み合わせ、総合的に判断する必要があります。
FDG-PET画像
異常なし
脳、心臓、肝臓、腸管は、生命活動のために糖分を必要としており、“生理的FDG集積”がみられます。
また、FDGは尿として体外へ排出するため、腎臓、膀胱などの尿路系にもFDG集積がみられます。

絶食時間不足
絶食時間が不十分だと、FDGが全身の筋肉や脂肪に多く集まり、がん細胞への集積が低くなる可能性があります。
検査の精度に影響を及ぼすため、少なくとも予約時間の4時間前から絶食をお願いいたします。

前日の運動
FDGは筋肉の炎症にも集まります。画像[1枚目]は腹筋運動を行った方、画像[2枚目]はお孫さんを長時間抱っこされた方の症例です。
日常生活程度の活動であれば問題ありませんが、検査前は筋肉に負担のかかる激しい運動などはお控えください。


肺癌
右肺上葉にFDG集積を認め、他部位への転移はみられません。



すい臓癌
膵頭部にFDG集積を認め、主膵管の拡張軽度あり。膵頭部癌 cT2N0M0。



医師紹介
                      MIクリニック 院長 岡田 篤哉 (放射線科)
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